ドッグフードを猫にあげるのは大丈夫?

ドッグフード


ドッグフードを猫に食べさせても平気なの?

最近では、人間が食べても問題のない素材と製法で作られたドッグフードがたくさん販売され、愛犬の食事に気を使っている飼い主から支持を集めていますが、ドッグフードを猫に与えても平気なのかご存知でしょうか。

「ドッグフード」「キャットフード」といった具合に名前が分かれているぐらいだから何か理由があるはずと思った方は大正解!、結論から言うと実は猫がドッグフードを食べてしまうと、量や食べ続けた期間によっては健康を損ねてしまう可能性があります。

そこで今回は、誤った知識で猫にドッグフードを与え続けてしまわないよう、

  • ドッグフードを猫に与えるべきでない理由
  • ドッグフードを猫が大量・長期間食べたとき起こりえる体への影響
  • 犬と猫を同時飼育する際注意すべきフードの管理法

などをまとめて解説したいと思います。

猫にドッグフードを与えるべきでない3つの理由

まずは、なぜ猫にドッグフードを与えるべきではないのかその理由を3つ挙げるとともに、与え続けた場合起こりえる健康被害についてまとめてみましょう。

理由1 猫と犬では必要とする栄養素が違う

ワンちゃんもネコちゃんも大切な家族の一因ですし、チワワなどの超小型犬種なら猫と犬に大きな体格の違いはありませんが、両者は生き物として全く異なる栄養特性を持っており、犬が肉を中心とした「雑食性」なのに対し、猫は元来完全な「肉食動物」であり、運動量が多いこともあって犬より多くの動物性たんぱく質が必要とします。

しかし、市販されているドッグフードは雑食性のワンちゃんの栄養バランスを考慮し、肉や魚などの動物性たんぱく質の他に、とうもろこしや米・麦などの穀物やイモ・豆類などが多く使用されているため、猫がそれを食べるとたんぱく質の必要量を満たす前に、穀物や豆類などの炭水化物で「満腹」になってしまうのです。

その結果、成猫になると成犬の2倍必要とされるたんぱく質が不足し、

  • 皮膚のトラブル
  • 毛艶の低下・抜け毛
  • 筋力の衰え・骨の脆弱化

などを引き起こす可能性があります。

また、心臓・肺・肝臓・脳・骨髄などのさまざまな臓器や組織に広く含まれていることから、生命の維持に必要な成分と考えられている「タウリン」を、犬は体内で合成できますが猫は合成できないため、食事で直接摂取しなければなりません。

そのため、キャットフードには一定量のタウリンを配合するようAAFCOの栄養基準で定められていますが、ドッグフードによってはタウリンが全く配合されていない商品もあります。

タウリン未配合のドッグフードを猫が大量かつ長期間食べた場合、深刻なタウリン不足によって

  • 網膜委縮による視力低下・失明
  • 心臓機能の低下・心筋梗塞
  • 生殖機能の異常

などのリスクが高まるとされています。

理由2 元来食べてきたものが違う(好みが違う)

犬も猫も程度こそ違え肉を主たる食べ物としてきた動物ですが、犬が比較的「獣肉」を好むのに対し、ご存知の通り猫は「魚肉」を好み、「ネズミ狩り」として利用されていた頃ならともかく、すっかり愛玩動物となった今ではよりその傾向が顕著になっています。

近年では「サーモン(鮭)」を使用した商品も出回っていますが、とはいえドッグフードの主原料はチキンやターキーなどといった獣肉、お腹が空いていて仕方なく食べたにしても、ネコちゃんからすれば「好みに合わないエサ」である可能性が高いのです。

また、猫には元来味を感じ分ける能力つまり「味覚」がほとんどないため、ネコちゃんの食欲を刺激すべくキャットフードにはドッグフードより強い「におい」が付けられています。

嫌いな材料をたくさん使い、おいしそうな臭いもあまりしないエサを長期間与え続けられるなんて、ネコちゃんの気持ちになれば苦痛、飼い主への信頼度が低下したり、慢性的な食欲不振になってしまうことがあるほか、急に獣肉中心のフードを与えた場合、下痢や嘔吐を起こす可能性もあります。

理由3 消化・吸収能力が違う

多くの市販ドッグフードには、穀物やイモ・豆などが使用されていると述べましたが、これらの食物はもれなく炭水化物&食物繊維を多く含んでおり、雑食性のワンちゃんにとってはいずれも必要不可欠な栄養素ですが、完全肉食の猫が大量に摂取すると、身体に悪影響を及ぼします。

炭水化物は糖質と繊維質で構成されており、糖質は体のエネルギー源として、繊維質は消化器の機能を正常に保つ作用を持っていますが、猫は遺伝的に犬より炭水化物の糖質(特にでんぷん)の消化・吸収が苦手なため、大量摂取を続けると肥満する可能性が高いのです。

一方、食物繊維は適量なら腸内環境を整えるため有効な栄養素ですが、過剰に摂取すると消化不良を起こして反対に下痢や便秘の原因となりますので、便秘気味のワンちゃん用に販売されている食物繊維の増強されたフードなどは、特に与えないようにしましょう。

犬と猫を同時飼育している時はエサの与え方に注意

犬と猫を一つ屋根の下で同時に飼育している場合、故意でなく過失によって両者のエサを間違えて与えてしまうこともあるでしょうが、すぐに気が付いて正しく直しさえすれば、それほど大きな健康被害を愛犬・愛猫に与えることはありません。

ただ、パッケージから出し容器保存している時などは、見た目だけでそれがドッグフードなのかキャットフードなのか、なかなか見分けられませんので、誰でもすぐ見分けられるよう「ワンちゃん用」「ネコちゃん用」と容器にしっかり記載しておいた方が良いでしょう。

また、保管していたドッグフードを猫ちゃんが見つけると、飼い主の目の届かないところで度々盗み食いをする可能性もあるため、セールなどを狙ってドッグフードを買い置きするときには、ネコちゃんに見つからない場所に隠すなど、盗み食いを防ぐ対策を練っておく必要もあるでしょう。